・薬関係

麻酔関係薬

　

麻酔前投与

薬剤	薬用量	投与経路	投与回数	目的	その他
アトロピン	犬猫：0.01-0.05mg/kg	IM　SC		導入	作用時間：1-1.5h
	犬猫：0.01-0.02mg/kg	IV		緊急	作用時間：1-1.5h
	緑内障禁忌
ｸﾞﾘｺﾋﾟﾛﾚｰﾄ	犬猫：0.01mg/kg	IM　IV SC	帝王切開		作用時間：2-3h
	血液脳関門、胎盤を通過せず
ﾌｪﾉﾁｱｼﾞﾝ系
ｸﾛﾙﾌﾟﾛﾏｼﾞﾝ	犬猫：0.55-4.4mg/kg	IV		帝王切開
	犬猫：1.1-6.6mg/kg	IM
	犬猫：0.5-2.2-8.8mg/kg	PO
	中枢↓、制吐、筋弛緩、体温↓、呼吸数↓、換気器量↑、血圧↓
ｱｾﾌﾟﾛﾏｼﾞﾝ	犬猫：0.02-0.1mg/kg	IM　IV　SC			作用時間：3-6h 最大：2.0mg 1.0mg以内がいい
	0.25-0.5mg/10kgまで
	0.25-1.0mg/10kg以上
ﾌｪﾉﾁｱｼﾞﾝ系は　○呼吸抑制・心筋抑制が極めて小さい。心性不整律から心臓を保護する。全身麻酔量を１／３－１／２減量。　　ショック時においてα阻害剤によって細動脈の収縮を回復させる　×代謝されないと可逆的にならない。体温が低下する。血圧が低下する（他の降圧薬と併用でさらに）　　鎮痛作用がない。興奮すればするほど、引き起こる中枢神経抑制は少なくなる。　　肝代謝なため肝障害時は注意。てんかんを引き起こすことも
ﾍﾞﾝｿﾞｼﾞｱｼﾞｱｾﾞﾋﾟﾝ系
ｼﾞｱｾﾞﾊﾟﾑ	犬猫：0.4mg/kg	IM　IV			作用時間：0.5-3h 最大１０ｍｇゆっくりIV
	犬猫：0.05-0.1mg/kg	IM　IV　SC
	犬猫：0.1-0.2mg/kg	IM　IV
	水に不溶性、脂溶性、胎盤通過高い、トラキライザーとしては弱い一過性の鎮痛、軽度の中枢神経抑制、脊髄レベルでの筋弛緩、心血管系抑制小さい、降圧小さい心筋抑制少ない、呼吸抑制は小～中程度、てんかんは引き起こしにくい、ＩＶで興奮することも（オピエイドで下げられる）
ﾐﾀﾞｿﾞﾗﾑ	犬猫：0.2-0.4mg/kg	IM　IV			作用時間：2h
	犬猫：0.05-0.1mg/kg	IM　IV　SC
	犬で時に不快感、効果はｼﾞｱｾﾞﾊﾟﾑより強い（３倍）水溶性、胎盤通過少ない
ﾌﾙﾆﾄﾗｾﾞﾊﾟﾑ	犬猫：0.02-0.04mg/kg	IV
ﾌﾙﾆﾄﾗｾﾞﾊﾟﾑ	ＩＭは禁忌（局所障害）ｼﾞｱｾﾞﾊﾟﾑ、ﾐﾀﾞｿﾞﾗﾑより強い鎮静、猫で時に興奮する
α－２作動薬
ｷｼﾗｼﾞﾝ	犬猫：0.1-0.2mg/kg	IM　IV			作用時間：1-2h
	犬猫：1.1-2.2mg/kg	IM　SC
	犬猫：0.3-0.5mg/kg	IV
	犬猫：0.5-1.0mg/kg	IM
ﾒﾃﾞﾄﾐｼﾞﾝ	犬：10-20ug/kg	IV			作用時間：1h
	犬：30-40ug/kg	IM
	猫：10-40ug/kg	IV
	猫：40-80ug/kg	IM
	犬：2-5ug/kg	IM　IV	鎮痛
	アトロピンに対して著明な除脈を起こす。脂肪親和性が強く、半減期も短い。
全身の麻酔量を５０－９０％減量する。脊椎レベルでの筋弛緩、鎮痛小、カテコールアミンに対する心筋の感受性↑ 呼吸困難・心血管系疾患・肝腎疾患には不向き犬で除脈、一過性の房室ブロック α２：α１の結合比、キシラジン１６０、ﾒﾃﾞﾄﾐｼﾞﾝ１６２０
麻酔系鎮痛薬・オイピエイド系作動薬
モルヒネ	犬：0.05-1mg/kg	IM　SC			作用時間：3-6h
	犬：0.1-0.5mg/kg	IM　IV　SC
	犬：0.5-1mg/kg	IM　SC
	犬：0.1mg/kg/h	Inf
	猫：0.002-0.1mg/kg	SC
	猫：0.1-0.2mg/kg	IM　SC
	犬でＩＶするとヒスタミン放出　→　血圧低下　：ＩＭする徐脈　→　アトロピン（抗コリン剤）で抑える呼吸抑制、鎮咳作用（コデイン、ブトルファノール）心血管系にほとんど作用しないＣＴＺ刺激による嘔吐中毒は２５日間の連投で発現、耐性は２－３週で発現猫での興奮は多量のみ（２０ｍｇ／ｋｇ）猫の効果は犬の３倍の時間、猫で嘔吐することも μ１、μ２を止める
ﾒﾍﾟﾘｼﾞﾝ	犬：0.5-3mg/kg	IM　IV			作用時間：2-4h
ﾒﾍﾟﾘｼﾞﾝ	猫：1.0-5.0mg/kg	IM　IV
ｵｷｼﾓﾙﾌｨﾝ	犬：0.1-0.2mg/kg	IM　IV			作用時間：2-4h 最大4mgまで
	猫：0.2mg/kg	IM　IV
	犬：0.02-0.1mg/kg	IM　IV　SC
	高価、パンティングを起こすことも
ﾌｪﾝﾀﾆﾙ	犬：0.04-0.08mg/kg				作用時間：1-2h
ﾌｪﾝﾀﾆﾙ	猫では使用しない鎮痛は強いが効果が短いヒスタミンを遊離しない
オピエイド受容体、μ、κ、σ、δ、ε 　μ：脊髄上位での鎮痛、呼吸抑制、多幸感、身体的依存　κ：脊髄での鎮痛、縮瞳、鎮静　σ：不快感、幻覚、呼吸・血管刺激　δ：　ε：呼吸抑制大（呼吸中枢↓）、徐脈、血圧低下犬、霊長類、ラット、兎で抑制、猫、馬、豚で興奮
オピエイド作動薬・拮抗薬
ﾌﾞﾄﾙﾌｧﾉｰﾙ	犬猫：0.2-0.4mg/kg	IM　IV　SC		麻酔前投与	作用時間：4h以内
	犬猫：0.05-0.4mg/kg	IM　IV　SC		麻酔前投与	作用時間：4h以内
	犬：0.05-0.12mg/kg	SC		鎮咳
	犬猫：0.2-0.6mg/kg	SC		制吐
	犬： 0.1-0.8mg/kg	IV		鎮痛鎮静
	犬：0.4-1.2mg/kg	IM　SC
	猫：0.1-0.4mg/kg	IM　SC
	0.8mg/kg以上入れても効果は変わらない（プラトーに達する）（高用量より低用量）鎮痛大、呼吸抑制、肝代謝が大きい κ、σ、δを主動、μを拮抗
ﾍﾟﾝﾀｿﾞｼﾝ	犬猫：0.5-1-2-3mg/kg	IM　IV			作用時間：1-2h
ﾍﾟﾝﾀｿﾞｼﾝ	作用発現に３０分、効果は８ｈ、腎血流量↓、術後投与で覚醒の遅延することも
ﾌﾞﾌﾟﾙﾉﾙﾌｨﾝ	犬猫：0.1-0.5mg/kg	IM　IV			作用時間：12h以内
	犬猫：5-10-20ng/kg	IM　IV　SC
	μの部分的にしか作用しない
ﾌﾞﾁﾛﾌｪﾉﾝ系（α阻害薬）
ﾄﾞﾛﾍﾟﾘﾄﾞｰﾙ	犬：2-2.5mg/kg	IM　SC			作用時間：6-8h
	犬：0.66-1.6mg/kg	IV
	犬：0.25-0.5mg/kg	IV
	猫：0.25mg/kg	IM
	クロルプロマジンの７００倍の効果血液循環確保、呼吸抑制、制吐大、胎盤通過小、神経弛緩作用大
その他
ｺﾝﾍﾞﾚﾝ	犬：0.3mg/kg	IV
	犬猫：0.5mg/kg	IM
	血圧低下
塩化ｽｷｻﾒﾄﾆｳﾑ（サクシン）	犬：0.07mg/kg	IV		筋弛緩
	猫：0.06mg/kg	IV		筋弛緩
	体からの消失は早い、腎からのＫ排泄促進
塩化ﾂﾎﾞｸﾗﾘﾝ	犬：0.1-0.15mg/kg	IM　IV
	猫：0.07-0.1mg/kg	IM　IV
	アセチルコリン受容体と拮抗血圧低下、呼吸抑制、ヒスタミン遊離作用
臭化ﾊﾟﾝｸﾛﾆﾑ (ﾐｵﾌﾞﾛｯｸ)	犬：0.1mg/kg	IV		筋弛緩
	犬猫：0.02-0.1mg/kg	IV		筋弛緩
	0.03mg/kg	IV		筋弛緩	＋ﾒﾄｷｼﾌﾙﾚﾝ
	0.06mg/kg	IV		筋弛緩	＋ハロセン
	血圧などの変動が少ないアセチルコリン受容体に拮抗、呼吸抑制
フェンタニル	2ug/kg				３０分毎に0.5mg/kg
ﾚﾊﾞﾛﾙﾌｧﾝ	0.02-0.2mg/kg	IV			作用時間：1.5-3h
ﾚﾊﾞﾛﾙﾌｧﾝ	麻薬作動薬－拮抗薬に拮抗
ﾅﾛﾙﾌｨﾝ	1.0mg/kg	IM　IV　SC			作用時間：1.5-3h
ﾅﾛﾙﾌｨﾝ	麻薬作動薬－拮抗薬に拮抗
ﾅﾛｷｿﾝ	20-100ug/kg	IM　IV　SC			作用時間：15-45m
ﾅﾛｷｿﾝ	ペンタゾシンに拮抗
4-ｱﾐﾉﾋﾟﾘｼﾞﾝ	0.3mg/kg	IV
4-ｱﾐﾉﾋﾟﾘｼﾞﾝ	キシラジン、ケタミン、バルビツレートの一部に拮抗
α作動薬に拮抗（キシラジン、メデトミジンに拮抗）
ﾖﾋﾝﾋﾞﾝ	0.15mg/kg	IV
ﾄﾗｿﾞﾘﾝ	0.4-2mg/kg	IV
ｱﾁﾊﾟﾒｿﾞｰﾙ	α作動薬の半量～同量	IM		ﾒﾃﾞﾄﾐｼﾞﾝ
ﾍﾞﾝｿﾞｼﾞｱｾﾞﾋﾟﾝ誘導体の拮抗薬
ﾌﾙﾏｾﾞﾆﾙ	0.1mg/kg	IV			作用時間：1h